三重県津市にある学僧 普門上人を輩出した真宗高田派のお寺です。ご家族お揃いでお参りください。

彰見寺

2023年 春

法語

うららかな春は きびしい冬の あとに来る 可愛い蕗のとうは 霜の下で用意される

作者

宮本百合子「飛鳥居昌乗『心に残る仏教のことば』法蔵館」

あじわい

 お寺の裏山には二月ともなると、「春が近いよ」といわんばかりに蕗のとうの頭があちらこちらに出てきます。花が開く前にそっとつみとり恵みをいただきます。天ぷらにしてもちょっと苦みがあり、その苦みを覚えている子供達には不人気ですが、その苦みには健康成分が含まれているそうです。臓器に力を与え、病気を抑える、など。
 近頃では一年中スーパーで見かけるきゅうりも本来はもちろん夏野菜で、汗で不足しがちな水分を補給し、熱のこもった体を中からクールダウンしてくれるそうです。
 その季節にしか食べられないお野菜に、その季節ならではの力を発揮してくれる自然。しかしその命も工業製品のように材料を混ぜて季節にあわせて作るものではなく、その前の季節の寒さ暑さの恩恵を十分に受け、準備をしてその日を迎えます。その深く有り難い恩恵を頂く私。つくづく、「おかげさま」の命でございます。