掲示板の言葉
2021年 春
法語
この身に受けているいのちは限りないつながりと限りない関わりのうえに賜っている
作者
宮城 顗
あじわい
今から二千五百年前、インドに出られたお釈迦さまは、多くの教えによって人々の心を正しく導き、八十年の生涯を終えられました。その教えの中に「縁起の法」というものがあり、「全てのことは縁によって起こる」という明快な内容の言葉です。それは、今頂いているこの命は、多くのつながりと関わりの上に頂いているのだという事です。
自分の身の上に起こることも、社会で起こる諸々の出来事も、全てご縁のなかにあると気付かせて頂くと、私のいのちは無限のはたらきの中に包まれ、支えられての一息一息であるのだと、深い感動を覚えます。
「縁起」とよく似ているのが「運命」という言葉です。人は先が見通せないので、不安にさいなまれ、いつも運命によって支配されるのではないかと恐れます。その結果、悪い運を好転させたいと占いに頼り、日柄や方角の善し悪しにふりまわされて、束縛される日々を送っています。
しかし、親鸞聖人は、このこだわりから解放されたのびやかな命と新しい毎日を、ご縁によって頂いているのだと教えてくださいました。うれしいことも、悲しいことも、苦しいことも、全てがご縁の中で出遇っているのです。ですから常に感謝と懺悔(ありがとうとごめんなさい)の生活を、お念仏とともにつくしていきましょう、と聖人は語りかけておられるのです。